何となく種を蒔き、自然に実った作物を収穫する。

農業に縁のない都市生活者は、今でも農作業に対してのどかで牧歌的なイメージを抱きがちです。もちろん産業としての農業は、そんなアバウトなものではありません。

温度や水、肥料分、生育状態などのデータを収集し、それをもとに一株単位で作物を管理する『精密農業』へ、21世紀の農業は変わりつつあります。

生物生産システム工学研究室の梅田大樹専任講師が取り組む研究もそのひとつ。イチゴなどのハウスに家庭用ゲーム機のカメラを設置し、作物の背丈や葉っぱの大きさなどを自動計測し、生育状態を細かく把握しようというもの。
光学技術による農業の『見える化』です。「ベテラン農家さんは、これまで同じようなことを自らの経験や勘でやっていました。その能力は特許に匹敵するほどの知財だと思います」と、梅田専任講師。

しかし農業の高齢化や大規模化が進むと、どうしてもそれらを機械や技術で補っていかねばなりません。「優れた技術があればもう農家はいなくてもいいね、なんていう人もいますが、そんなことはありません。私たちの狙いはあくまでも生産者支援。研究はすべて農家のニーズから始まります」と、梅田専任講師は断言します。

自然のシステムを活かした生物資源生産と、自然や社会・文化と調和した生活環境創造のための技術を学びます。食料、エネルギー、環境に関わる様々な問題を解決し、人を含めた生物が持続的に生きていくことのできる環境づくりについて、科学と技術を使って広い視野から探ります。