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2025.11.05 研究ニュース
獣医学科獣医放射線学研究室の合屋征二郎専任講師氏らが小型犬における安全で正確な低酸素血症の診断手法を開発しました
本学獣医学科の合屋征二郎専任講師、獣医学研究科博士課程2年の関大智氏、同研究科博士課程1年の坂井健人氏により開発された研究成果が、The American Veterinary Medical AssociationのOfficial Journalである Journal of the American Veterinary Medical AssociationにVideo学術論文として掲載されました。
呼吸困難を有する犬において低酸素血症を診断するためのゴールドスタンダードは動脈血ガス検査です。動脈血ガス検査により、肺がどれだけ酸素を血液中に取り込めているかという酸素化能を評価することができます。しかしながら既存の手法では呼吸困難の犬を横向きに保定して実施せざるを得ず、それが犬の低酸素血症をさらに増悪させてしまうため、安全性や正確性の観点から臨床現場では実施が避けられてきました。
本研究は、特に採血が難しい小型犬における安全で正確な動脈血採血の手法を確立しました。犬は「だっこ」の体勢で保定されるため、暴れることなく安全な動脈血採血を可能としました。これにより、呼吸困難の犬に対して低侵襲に動脈血ガス検査を実施でき、動物の負担やストレスを大きく軽減できるようになりました。
本研究によって、犬の低酸素血症の早期発見とより正確な治療反応性評価が行われることが期待されます。