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2017.10.03 研究ニュース
獣医学科 鈴木由紀 専任講師が平成29年度日本獣医学会 獣医学奨励賞を受賞しました!
獣医学科 鈴木由紀 専任講師が平成29年度日本獣医学会 獣医学奨励賞を受賞しました!
日本獣医学会 奨励賞を受賞した本学部獣医学科鈴木由紀 専任講師
平成29年9月14日に鹿児島大学で開催された第160回日本獣医学会学術集会において、獣医学科の鈴木由紀 専任講師が、日本獣医学会 獣医学奨励賞を受賞しました。本賞は獣医学の領域で精力的に活躍している若手研究者に贈られています。獣医学科では昨年の佐藤雪太教授(第159回 日本獣医学会賞)に続いてのうれしいニュースです。
賞状授与式の様子
受賞研究課題
「RNAウイルスの病原性獲得機構の分子進化学的解明」
受賞者講演の様子
鈴木由紀 専任講師は、本学の出身で学部生、大学院生および研究員、そして2014年に教員として着任してからも一貫して取り組んでいる研究活動をつうじてRNAをゲノムとして持つウイルスの進化学的な解明に挑戦しています。現在、世界的流行への対応が課題となっているインフルエンザの病態について、糖鎖付加部位の獲得およびHA電荷の上昇といった、これまで謎だったインフルエンザウイルスが持つヒトの免疫を回避するためのダイナミックな変化をウイルスの分子進化学的な解析手法を用いて明らかにしました。
また宿主域の広い狂犬病ウイルスの遺伝子解析を行うことによって宿主動物の種類に依存した狂犬病ウイルスの遺伝的多様性を明らかにし、特にコウモリでは群構造や行動パターンがウイルスの遺伝的多様性の分布と一致すること、分子系統樹の分岐年代推定から19世紀にヨーロッパのイヌで流行していた狂犬病ウイルスがヒトの移動とともにブラジルに持ち込まれ、その後ブラジルで生息していた野生のキツネに種間伝播を起こしたことを解明しました。
以上の研究成果は、インフルエンザや狂犬病など、ヒトや動物において脅威となっている人獣共通感染症の世界的な予防対策の確立に有益な情報として提供され、広く活用されています。
今後もウイルスと宿主との相互作用という課題について進化学的な観点から解析を続けることによって、ウイルスが持つ病原性発現機構の解明など、ヒトや動物の健康や疾病予防に役立つ益々の研究成果の発展が期待されます。