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2018.04.06 研究ニュース
◎日本蚕糸学会賞を受賞 カイコの病気の感染発現解明で=生命農学科・岩野特任教授=
平成30年3月19日、20日の両日、名古屋大学農学部で開催された平成30年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会(日本蚕糸学会第88回大会)で、生命農学科の岩野秀俊特任教授が日本蚕糸学会賞を受賞した。
(賞状を受け取る、岩野特任教授)
日本蚕糸学会賞:岩野秀俊
受賞研究題目は「家蚕微粒子病における感染発現と病原性の遺伝的多様性の解明に関する研究」。
微胞子虫(原虫)はカイコ微粒子病の原因微生物で、19世紀に欧州全域で蔓延、養蚕業に壊滅的な被害をもたらしたカイコの重要病原体という。
岩野秀俊特任教授はこれまで不明な点が多かった昆虫体内における微粒子病病原体の感染増殖の詳細な機構を解明すると共に、カイコに対する病原性の異なる系統間での遺伝的関連性を明らかにしたことが評価された。
これらの研究成果は、カイコの病気の予防診断に道を拓くだけでなく、カイコに無毒性を示し、ハスモンヨトウなどの害虫にのみ強毒性を示す株の導入により、化学農薬に依らない微生物農薬による害虫防除への開発研究にも寄与することが期待されている。
(賞状を手にした、岩野特任教授)