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2026.09.01 その他ニュース
森林学科バイオマス資源化学研究室の毛利嘉一専任講師の研究論文が木材科学系の最高峰雑誌 Holzforschung に掲載されました
森林学科の毛利嘉一 専任講師の論文が、木材科学分野でトップクラスの学術雑誌である「Holzforschung」に掲載されました。
■ 研究背景
木材は建築資材や再生可能エネルギー源として広く利用されていますが、生物素材であるゆえに、自然環境下では木材腐朽菌による生物学的劣化を受けやすいという特徴があります。日本の冷温帯林で広く植林されている重要な針葉樹であるカラマツにおいても、白色腐朽菌(Porodaedalea chrysoloma)が引き起こす「白色孔状腐朽(white pocket rot)」により、木材の密度や機械的強度が著しく低下してしまいます。このように腐朽が進んだ木材は、物理的・化学的特性が大きく劣化するため、木材産業での利用が極めて限定的になるという課題がありました。
■ 研究の主な内容と成果
本研究では、この利用価値が失われた低品質な腐朽材の改質と付加価値の創出を目的とし、天然成分を用いた「フルフリル化」と呼ばれる化学修飾技術を適用しました。
その結果、腐朽菌の分解によって木材内部に形成された特徴的な空隙構造が、修飾に用いる薬剤(酸触媒やフルフリルアルコール)の浸透を促進させることが分かりました。 また、健全な木材と比較して、腐朽の初期段階にある木材ではフルフリル化による質量増加率が非常に高く、腐朽材における処理効率が向上することが確認されました。
■ 本研究の意義
本研究は、木材を劣化させる「白色腐朽」の特性を逆手に取り、化学改質処理と組み合わせることで、これまで利用が難しかった低品質な腐朽材を高付加価値な材料へとアップグレードできる新たな可能性を示しました。生物素材である木材のさらなる有効活用や、森林バイオマス資源に基づく循環型経済への貢献が期待されます。
■ 掲載論文情報
掲載誌:Holzforschung
論文タイトル:Effects of furfurylation on white pocket rot in Japanese larch heartwood caused by Porodaedalea chrysoloma
著者:Yoshikazu Mori, Mikoto Shirasaki, Masaki Hayashida, Kana Yamashita, Yuko Ota and Makoto Kiguchi
オンライン公開日:2026年8月10日
DOI:https://doi.org/10.1515/hf-2026-0032