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2026.09.18 研究ニュース

大学院応用生命科学専攻博士後期課程3年生の川上大廣さんたちの研究成果がFrontiers in Immunology誌に掲載されました

本学大学院博士課程3年 川上大廣さん(動物学科・高橋/中西研究室)らが取り組んだ「好中球細胞外トラップは、間葉系から上皮系への移行を誘導することにより、トリプルネガティブ乳がんの肺への定着を促進する」に関する研究成果が、国際的免疫学雑誌 Frontiers in Immunology (IF:7.0) に掲載されました。

がんにおける主な死亡原因はがん細胞が肺や肝臓などの遠隔臓器に移動する転移であることが知られています。特に、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は侵襲性、再発リスクが高く、明確な治療標的が乏しいことから、予後不良ながんであることが知られています。
よって、TNBCの転移を制御する仕組みの解明は新たな治療法開発にとって重要な課題です。日本大学大学院生物資源科学研究科 博士課程3年川上大廣さん、同動物学科の高橋恭子教授・中西祐輔准教授らの研究グループは、生体内で本来は感染防御で働く免疫機構の好中球細胞外トラップ(NETs)がマウスTNBC模倣細胞の4T1細胞の肺転移を促進することを明らかにしました。
通常のマウスとNETsが誘導されないマウスの肺から転移した4T1細胞を単離し比較したところ、NETsが誘導されないマウス由来の4T1細胞ではがん転移に必須の現象である間葉上皮転換(MET)を誘導できず、マウスにおける肺転移の減少と予後改善が観察されました。

本成果は、TNBCに対する有望な周術期治療標的の開発につながる知見となることが期待されます。
尚、本研究は理化学研究所・生命医科学研究センター・自己免疫疾患研究チームとの共同研究で実施されました。

論文名:Neutrophil extracellular traps promote lung colonization of triple-negative breast cancer by inducing mesenchymal to epithelial transition.

著者名:Taiko Kawakami1†, Yusuke Nakanishi1†*, Akari Suzuki2, Kazuhiko Yamamoto2, Kyoko Takahashi1.

1 College of Bioresource Sciences, Graduate school of Bioresource Sciences, Nihon University, 1866 Kameino, Fujisawa-shi, Kanagawa Japan.
2Laboratory for Autoimmune Diseases, RIKEN Center for Integrative Medical Sciences, 1-7-22 Suehiro-cho, Tsurumi-ku, Yokohama, Kanagawa Japan.
These authors have contributed equally to this work

原文リンク:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2026.1892317