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2018.11.27 研究ニュース

大学院 生物資源利用科学専攻 大川陽さんと濱田彩さんが第3回国際シンポジウム コメとグローバルヘルスで若手研究者賞をW受賞しました

平成30年11月29日〜30日に京都で開催された「第3回国際シンポジウム コメとグローバルヘルス(The 3rd International Symposium on Rice Science in Global Health)」において、大学院 生物資源利用科学専攻 博士前期課程2年の大川陽さん濱田彩さん(食品化学研究室)が、それぞれ若手研究者賞(Young Investigator’s Award)を受賞しました。

 

O&H

 

大川さん(左)・濱田さん(右)、学会会頭の宮澤陽夫先生(東北大学)と一緒に)

 

・発表内容(大川 陽
大川さんは、炊いたお米が硬くなる「老化」という現象の抑制やその測定方法について大学院で取り組んでいます。

最近、炊飯し冷蔵保存された米飯を食す機会が増えてきました。しかし、低温で長期保存された米飯はデンプンの老化のため硬くなり品質が低下するため、保存中に老化を抑制する方法の確立が求められています。さらに、その確立に向けて老化の程度を正確に測定する方法も必要です。

大川さんは、お米が老化すると、デンプンに対して酵素が働きにくくなること、また、結晶化することに着目し、これらの性質を利用して老化を測定しようと試みました。
その結果、酵素による分解のされにくさ、および、結晶化度は、いずれも、デンプンの低温保存中における老化の程度を表すのに適しており、さらに、いくつかの添加剤によりデンプンの老化を抑制できることもわかりました。本研究の成果は、冷蔵保存してもご飯を美味しく保てる技術や方法の開発につながります。

 

・発表内容(濱田 彩
濱田さんは、血糖値の上昇を抑える効果を持つお米由来の水溶性タンパク質について研究しており、今年の5月にはアメリカ油化学会において、そのタンパク質が食品加工に好適な性質を有することを報告し、学生ポスター賞(第1位)を受賞しました。

今回の学会では、そのタンパク質が体内で分解された後も血糖値上昇を抑制する効果が維持されることに加え、そのメカニズムを報告し、その成果が認められ若手研究者賞の受賞に至りました。
このタンパク質は無味無臭で水溶性であることから様々な食品へ添加することができ、ご飯やパンなどのデンプン系食品、お菓子や果物などの甘い食べ物と一緒に食べた時に、血糖値の上昇を抑えることのできる食素材として利用されることが期待されます。

 

 

大学院紹介サイト
https://www.brs.nihon-u.ac.jp/education/graduate_schools/

 

生命科学科オリジナルサイト
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~cls/

 

食品化学研究室
http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~food-c/