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持続可能な未来を創る

 現代社会は、世界的に変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高いため、これらの頭文字をとったVUCAの時代と言われております。世界人口はここ20年間で急激に増加し、それにともなう環境変化、地球温暖化、食料の安全保障などの問題、新型コロナウイルスや新興感染症の蔓延も深刻化しています。一方わが国でも、少子高齢化による経済・社会活動の停滞、超高齢化にともなう社会構造と国民の健康の維持、断続的に勃発する自然災害への対応など、これまでに経験したことのない高度で複雑な問題に直面しています。
 このような世界情勢の中、生物資源科学部は「日本大学教育憲章」に則り、日本や国際社会が直面している生命・食料・資源・環境に関するさまざまな問題に取り組み、科学・技術の持続的な発展に貢献しています。特に生物資源の生産と利用に関する科学、生命科学、環境科学に関連する分野を中心に、2016年に国連サミットで採択された2030年までの国際目標(SDGs)が提案されるはるか以前の1990年代より、今日のSDGsの17の目標すべてに関連する独創性の高い研究・教育を展開してきました。さらに最近では、人・動物とそれを取り巻く環境・生態系の健全性を「一つの健康(One Health)」として包括的に捉え、関連する学術分野が連携・協力してさまざまな問題の解決にあたっています。
 こうした世界情勢の趨勢を考慮し、2023年には学部を全面的に改組し、現代社会のニーズに対応した最新のカリキュラムを構築しました。これにより、生物資源科学や獣医学に関連する幅広い知識と高度な専門性に加えて、豊かな教養、人間活動に関する深い洞察力、高い倫理観を身につける教育を提供しています。日進月歩の科学の発展により、学部で学ぶべき内容は質・量ともに高度化しています。学生の皆さんには、限られた時間の学生生活の中で、過去の先人たちの業績について深く学び、それらを知恵として応用し、さまざまな問題を解決する能力や新しい価値を創造する力を身につけて、国際社会で活躍していただきたいと思います。
 生物資源科学部のメインキャンパス(湘南キャンパス)は、古都・鎌倉や江ノ島に程近い神奈川県藤沢市にあります。都心からのアクセスも良く、小田急江ノ島線・六会日大前駅より徒歩3分の好立地の湘南キャンパスには、農場、温室、演習林、図書館、博物館、動物病院をはじめとした教育・研究に必要とされる充実した施設・設備がキャンパス内に集中しています。したがって、キャンパスを移動することなく、講義・実験・実習科目を受講し、効率よく学修できることが本学の最大の強みとなっています。さらに、湘南のメインキャンパス以外にも下田臨海実験所(静岡)、演習林(千葉、群馬、北海道)などが設置され、研究活動やフィールド実習に活用されています。
 大学時代は、良き師や仲間と出会い、互いに切磋琢磨しながらさまざまな経験を積み重ね、優れた人間性を身につける大切な時期です。日本大学の教育理念である「自主創造」のもと、この緑豊かな美しいキャンパスで、皆さんが伸び伸びと学び、「自ら学ぶ、自ら考える、自ら道をひらく」能力を十分に身につけられるよう、教職員一同が皆さんの学生生活を強力に支援してまいります。皆さんとともに学び研究できることを楽しみにしています。

日本大学生物資源科学部

学部長 関 泰一郎